東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



印鑑(花押印 2)

2009年06月02日 印鑑の歴史

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

一昨日、昨日とはっきりしない天気でしたが、今日は爽やかな初夏の日になりそうです。

花押の書体の中で草名体(そうみょうたい)といって下の名前を草書体で書くものがあります。平安時代から鎌倉時代にかけて公家社会で多く用いられました。実名(名乗り)の二文字を縦に書くことが多く、公家様花押とも言われています。花押の作風で初期段階の作風です。
実名(名乗り)という表現を使いましたが、昔の公家や武士はいくつかの名前を持っていました。例えば、源 義経の場合、「牛若丸」が幼名、「九郎」が通称名、「義経」は名乗りということになります。元服後に正式に付けた名前のようです。義経の頃には草名体の書体から二合体(にごうたい)の書体に変わってきましたが、もし草名体の時代なら「義経」の草書体を花押にしたわけです。

現在使われている印鑑の使用目的の元祖の使い方、それが書き判の花押であったと考えられます。


▲草名体(そうみょうたい)の花押。藤原佐理のもの。
判読しにくいが、「佐理」の草書をさらに図案化したもの。

花押印のページhttps://rakuzendo.com/shohin/shohin012.html

八王子 印鑑 楽善堂のホームページ https://rakuzendo.com





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