東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



石碑にある篆書(てんしょ)を判読

2017年02月21日 印鑑の文字

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先日、「神社にある石碑の篆書(てんしょ)が判読できないので、教えていただきたい。」と言ってご来店なさったお客様がありました。八王子市史編集専門部会の委員さんで、都立高校の先生でした。

日露戦争で戦死した兵士のお名前を刻んだ石碑です。スマホを出して、画面で撮った写真を見せてもらいました。右から左に横書きされた石碑の題名で「忠烈無窮」と刻んでありました。はじめの2文字、「忠烈」は判読できて、後の2文字「無窮」が読めなかったようです。「無」の字の篆書は、楷書よりも画数の少ない篆書がありこの字を使っていました。

スマホで見た写真の石碑だけでなく、現物を確認したくて、後日自分で出かけてみました。場所は朝の散歩で行っている富士森グランドのすぐ近くの神社の境内にありました。八王子市は今年、市政100周年を迎えますが、日露戦争当時はまだ南多摩郡「八王子町」、町田市も「町田町」、その他近隣の地区は○○村が多く出ていました。戦死した兵士の出身地ごとにお名前が彫られています。「忠烈無窮」の文字は、当時の元帥侯爵、大山 巌からいただいた文字でした。

 

 

▲篆書の四文字、右から左に読んで「忠烈無窮」と彫ってあります。


▲篆書の「無」の字は画数の少ない文字もあります。



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