東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



隷書の法人印鑑

2011年07月29日 印鑑の文字

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

感覚的に“まだ7月なの?”と思います。今月は長いなあと感じています。通常は8月上旬の「八王子まつり」が、名称と規模を変えて2週間早く行なわれたからだと思われます。

先日彫刻、納品させていただいた会社の印鑑、同じ社名で3種類ありました。お客様からのご希望で、実印、銀行印、認印というご指示でした。実印、銀行印、認印というと、通常は個人の使用目的の印鑑ですが、法人(会社)で使うものもあります。会社の実印は市役所でなく、法務局に届出をします。八王子は法務局が南大沢に移転したので、市街地に会社を構える人には出掛けるのにやや不便になりました。

会社で使う印鑑を3種とご注文をいただいた場合、やはり職人としてはそれぞれに印に持ち味、特徴を持たせて違いがはっきりわかるようにして差し上げたい、と思いました。直径の寸法は、18ミリ、16.5ミリ、15ミリと違いますが、2つ、3つの印影(紙に捺した状態)を比べれば大きさの違いはわかりますが、1つの印影だけではどの印鑑か判別しにくいものです。

そこで、実印、銀行印、認印、と変わるに従って、書体を読みやすい書体に変えていくことにしました。普段は会社の実印(登記印)の1本だけの注文が多いので、篆書(てんしょ)、または吉相体で彫りますが、今回は、隷書、行書を入れました。外回りに彫る会社の名前は、篆書が多いです。隷書を認印で使いました。筆意表現が、篆書よりもはっきりと表現しやすい書体です。

注文でいただく印鑑の仕事、お客様から指示があればその通りに従えばいいことですが、とくにご指示が無い場合、お客様のお話をよくいただいてから、店側でよい提案をさせていただく、こんな接客が大切かと思っています。


▲上の印は内丸、代表取締役印が隷書です。下の印は外丸の株式会社が隷書になっています。
下の印の内丸は行書です。読みやすさが前面に出た作風です。
(会社のお名前部分は修正液で消してあります)


八王子 印鑑 楽善堂のホームページ https://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ペーhttps://inkan-reform.com





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