東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



前印のある印材と無い印材

2012年10月20日 印鑑の素材

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

朝晩は少し寒いくらいになりました。
先日お見えになったお客さまで、鞘(さや、キャップのこと)付きで中央部分がくびれている形状(業界用語だと天丸鞘付き)の印材、前印(まえじるし、黒いボッチ)の無いものがよい、という方が見えました。

新会社設立にあたり、代表者印の注文をいただいきましたが、この印材に前印が無いものをご希望になったわけです。通常ですと、キャップが付かない個人の実印のような形状(円筒形)で、前印が無い印材をおすすめしていますが、キャップがあったほうがいい、というお話でした。

在庫に無かったので、印材問屋に発注をかけて作製しました。1本でも作ってくれるのが印鑑業界のよいところです。次の注文に対応できるように、店の在庫用にもう1本注文をしておきました。

この前印、印鑑を捺す時に指でさわった時にすぐに前が分かって便利なものです。個人用の印鑑だと、長方形で「へこみ」があり、やはり前の位置がわかります。反対に前印がないものを「無地」または「当たりなし」といいます。この無地の印材には理由があり、慎重に印鑑を捺すために、1度彫ってある印面を見て、どこが前かを確認してそれから捺す、というプロセスを大事にするためです。

印鑑の使用頻度にもよりますが、個人の実印のように1年に数回しか捺さない、という場合には、「無地」の印材をご提案しています。毎日、仕事で捺す、という場合には事務の効率化を図るために、前印はあったほうが便利です。


▲鞘(さや)付き印材で、左は前印無し(特注作製)、
右は通常の前印ありの印材です。


八王子 印鑑 楽善堂のホームページ https://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ペーhttps://inkan-reform.com





コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
内容をご確認の上、送信ボタンを押ししてください。