東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



70年前に受注の印鑑仕事

2013年12月18日 店舗経営 接客

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今年もあと2週間になりました。早いものです。先日お見えになったお客様で、「兵隊に入隊する時におたくでこしらえたハンコだよ」とご持参の方がいらっしゃいました。白水牛で36ミリの長さ、形は楕円形の小判でした。ケースは年季の入った牛革のケースです。

ご来店の目的は、この牛革ケースの中にある朱肉のオトシ(プラ製の小さな皿状で朱肉を入れる物)が取れて紛失したので、新しいものを入れて欲しい、というものでした。私が作業をしている間に昔の話になりました。昭和20年の8月には終戦になっていますから、おそらく、昭和18年、19年くらいに受注した仕事ではないかと思いました。印面(彫刻面)を見ると、姓のみ斜めに古印体(こいんたい、読みやすい書体の一種)で彫ってありました。三代目、父親の10代の時の仕事か、当時、通いの職人が居たと聞いているのでその人の仕事か、と思います。二代目の祖父は印鑑でなく、彫刻ゴム印の職人でした

「お代は、如何ほどかな」と聞かれて「朱肉の入れ替えはどのお客様からもいただいていません」とお答えしました。実際、この仕事は他の店で購入した印鑑ケースでも無料対応しているので、今回のお客様のように戦時中に作成、戦後も長く使っていただいた方には、“喜んで無料”にさせていただきました。長く、大切に使っていただいた当店の印鑑を見させてもらったのは、私としても嬉しい体験でした。


▲朝の運動の途次、富士森公園です。落葉して冬樹になりました。
(本文とは関係ありません)


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