東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



横画が切れている草冠(くさかんむり)

2011年10月18日 お名前入り商品(印鑑以外)

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先日、名刺を受け取りになったお客様から電話があり「発注原稿の草冠(くさかんむり)はつながって書いたけれど、名刺の草冠は切れている。」というご指摘をいただきました。「正楷書(せいかいしょ)の場合は、草冠は切れますが、つながっている草冠で再作製いたします。」とお伝えしました。

15分位して、電話をいただき「使う本人が切れている字でもいい。と言っているのでこのままでいいよ。」と寛大なお返事をいただきました。このご本人さんも本音では「でもやっぱりつながっている字がいいなあ。」と思っていたかもしれません。手書きで草冠を書く時は横画の中央を切って書く人はまずいません。正楷書の時に切れてきます。

これから年賀状印刷の時期になります。以前、コンビニの年賀状印刷チラシに「楷書体の場合の草冠は切れています。」と書いてあって、サンプルの字が出ていたのを思い出しました。名刺やハガキ印刷など、特に個人のお名前は、どのお客様からもクレームにならない文字を選ぶことが大切と感じました。幸い、正楷書でもつながる草冠もあるので、今後はそのような対応にしたいと思います。


▲4つの書体でサンプルを出しました。上から日本活字正楷書、イワタ正楷書、ダイナフォント明朝体、ダイナフォント丸ゴシック体です。日本活字正楷書の草冠は横画が切れます。文字のポイントはどの書体も同じポイントですが楷書は小さく見えます。


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コメント

  1. 工藤 says:

    Unknown
    私は、印鑑(楷書体)、名刺、サインのすべての草冠が離れています。戸籍上そうなっていたからですが、草冠を離した印鑑屋さんの文字が好きになってから、つなげて書くことはありません。

  2. 工藤さまへ
    工藤さま。コメント、ありがとうございます。
    草冠の横画を離してお書きになるとのこと、これもひとつのこだわりですね。大切になさったらよいかと存じます。個性、好みの現れた文字ということになります。古い文字の篆書(てんしょ)の草冠は切れています。

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