東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



つげ、21ミリ角印のリフォームが新規黒水牛に

2023年04月15日 お知らせ 印鑑の素材

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先日、東京都中央区、法人のお客様から印鑑リフォームのご注文をいただきました。個人の印鑑でなく、会社のお名前の入った正方形の角印(木製、つげ材)です。1辺で21ミリあります。はじめにお電話でお問い合わせをいただいたので、「現物を拝見したいので、当店に送っていただけますか?」とお願いをして角印を送ってもらいました。

 かなり年季の入った角印でした。外枠が2ヶ所欠けていてコーナーの部分は側面が印面から4ミリくらいまで欠けていました。お客様にお電話して「お値段はリフォームのお値段でお受けして、印材は当店の新しいつげ材でお作りしますが。」とご提案しました。リフォームのお値段は16,800円、新規作成のお値段は18,800です。会社用(法人用)の印鑑は新規の印材になっても、実用性が大切なのであまり問題にはなりませんが、個人の印鑑となると「おじいさんが大切に使っていた象牙の実印だから、これに息子の名前を是非彫ってほしい。」という印材への『こだわり』の方も多くいらっしゃいます。電話に出られた総務の方が上司の方に相談して「つげ材でなく、黒水牛の印材で彫って下さい。」というご注文に変わりました。黒水牛のリフォームは21,800円です。新規の当店の材料を使いますが、リフォーム価格にさせていただきました。

 このお客様からのご指定は「今までと同じ印影にしてほしい。」でした。「100%は無理ですが、大略似せます。」でお作りしました。外枠はやや太くして、今後欠ける心配のないように彫りました。個人印鑑の実人、銀行印と違い、法人用の角印は、おそらく毎日のように請求書、見積書などの書類に押捺してこられたと思います。使用頻度がかなり高いものです。今回は印材が黒水牛になったので、回数を捺しても摩耗が木製よりも少なく、最低でも10年は持ちこたえると思います。つげ材から、黒水牛材にランクアップしたこの会社の上司の方は賢いご選択をなさいました。

▲角印の印材です。左から木製(つげ材)・黒水牛・白水牛 です。
白水牛は本数が黒水牛ほど、採れないので、お値段は高くなりますが、硬度は黒水牛と変わりません。



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