東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



写楽[特別展]に

2011年05月31日 店長のプライベート

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日で5月が終わります。雨は降りませんが肌寒い陽気です。
一昨日の日曜日、29日、上野公園へ写楽[特別展]に行きました。カミサンと美大3年生の長女、三人で出掛けました。雨降りだったせいか、東京国立博物館、平成館の前は入館待ちで並ぶことはありませんでした。2年前の「阿修羅」展の時は入り口前に行列ができていました。

音声ガイドのサービスが500円でありました。普段は使わないのですが、ナレーションが落語家の春風亭 昇太さんだったので、迷わず借りることにしました。昇太さん、蔦屋 重三郎(つたや じゅうざぶろう、写楽の役者絵を世に出した版元)の手代という役柄になって、詳しく説明してくれました。楽しいしゃべりです。

写楽の作品、4期の中で特に1期の役者大首絵、芝居の中での役者の演技の瞬間を巧く捉えていると感じました。歌舞伎狂言『恋女房染分手綱』三代目大谷鬼次演じる江戸兵衛の表情などは、まさに自分が芝居小屋にいるのでは、と思えるくらいです。

多くの版画を見ながら、どの作品にも『極』の1文字が彫ってある丸い落款印に気が付きました。よく見ていくとその『極』の字が6〜7種類くらいありました。同じ篆書(てんしょ)で線質に違いがありました。富士山の印(しるし)と蔦の葉の絵の近くにあったので、版元、蔦屋の印(いん)かと思っていましたが、同時代の他の作者、歌川豊国や勝川春英の版画にもありました。最後に出口で学芸員の方に尋ねてみると「これは検閲済みの印(いん)です。」と教えてくれました。当時の幕府(おかみ)に見せて出版していいかの許可をもらっていたのでしょう。この時代は寛政の改革が松平定信によって行なわれて、何かと規制があったのかと思いました。

写楽[特別展]、6月12日(日)まで、東京国立博物館、平成館で開催中です。

写楽[特別展]
http://sharaku2011.jp/



▲東京国立博物館 平成館の玄関前です。ここに傘立てがあり、ビニール袋に入れて傘を館内に持ち込まずにすみました。


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