東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



印鑑の文字(9) 楷書

2008年09月22日 印鑑の文字


──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

「暑さ、寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、今日は店のエアコンを使わないで
快適に過ごせています。

今日は、皆さんにお馴染みの書体、楷書です。
学校で習う文字が楷書、スタンプ系の商品だとシャチハタのネーム9(ナイン)が楷書です。このネーム9、一番多く市販されて流通しているシャチハタスタンプです。

朱肉を付けて押す、印鑑の書体ということになると、日々の仕事ではほとんど楷書は注文になりません。書体のご提案は、お客様からご指定が無い場合、判読しやすさの書体の場合、男性なら隷書または古印体で、女性ならば行書というオススメをしているからです。

あまり強く楷書をご提案しない理由は、シャチハタのネーム9が楷書、ということがあります。印鑑の直径はネーム9よりも大きいことがほとんどですが、どこのご家庭にもおそらく宅配便の受け取り用などに、ネーム9が置いてあるからです。その書体のスタンプとは分けて印鑑を管理いただきたい、そんな店長の思いがあります。

歴史的には前漢の時代の末期には生まれていたので、楷書は2000年以上の歴史のある文字です。横画が右肩上がりは楷書の特徴、景気になぞらえて「楷書がいい! !」のお客様も時々いらっしゃいます。

「印は人を表す」。基本に忠実、きっちりと物事を推し進めたい、そんな方の印鑑にはオススメです。



印鑑の楷書(店長作品)ネーム9よりも大きく字を入れてある。筆意表現にも違いあり。

楽善堂のホームページ
https://rakuzendo.com


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