東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



山崎民生さんの金丹入り象牙印材

2011年06月03日 印鑑の素材

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

ようやく雨が上がりました。今日は夏日になるそうです。先日、出張をしてくる印材問屋から、レア物として、山崎民生さん(象嵌職人。故人、東京都墨田区に在住だった)の作になる、金丹入り(きんたんいり)の象牙印材を仕入れました。薄い板ですが、金の板が3ミリ×14ミリの寸法で象牙印材の中に嵌(は)め込まれています。これを前印(まえじるし)といって、印鑑を捺す時、前の位置を示します。

今は特に実印の場合、無地の印材といって、この前印は付けない印材が主流になってきました。理由は、慎重に印を捺すために、捺す前にいちど印面(彫ってあるところ)を見てから捺すために、あえて前印は付けないのです。

この金丹、前印を示すことよりも工芸品的な価値があります。象嵌職人だった山崎民生さんの銘があって、その下に朱の文字で花押(かおう)も書いてあります。レア物に興味のあるお客様にはお薦めの逸品です。


▲金丹の左に作者の『民生』の銘があります。
図案化された朱の文字は花押です。


▲印材は寸法は二寸(6センチ)、鞘(さや、キャップのこと)が付きます。
お値段は本ワニ皮のケース付き、彫り上げて98000円(税込み)です。
(右端はペンテルのホワイト修正液です。)



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