東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



弁護士さんの職印の同型印

2025年11月22日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先日、愛知県で弁護士事務所を開いている先生から、同型印のご注文をいただきました。外枠が欠けているので、修理して欲しいというご希望です。「100%の同型は無理ですが、95%程度のレベルでしたらお作り致します。」と金額とともに事務担当の方にお伝えしたら、つげ材で直径15ミリの職印(弁護士○○之印)を送って来られました。弁護士さんに限らず、職印には文頭に「司法書士」「行政書士」などとあり、その後にフルネームを入れて、最後に「之印」を入れる内容の印章(はんこ)です。

 送られて来た職印を拝見したら、長年使って来られたせいでかなり朱肉を吸い上げていました。「この印材使って彫り直しも可能ですが、一度平面にした時に、まだ朱肉が残っていて新しく捺そうとしても彫刻面にある朱肉が邪魔をして、きれいな印影がでません。同じ規格の印材を当店でご用意しますので、こちらに彫らせていただきます。お預かりの今までの印章は手を加えずのそのままお返しします。」と電話でお伝えしました。ご了解をいただき、新規のつげ印材に彫りました。


 今回のご注文のように印章(はんこ)そのものを送って来られる場合は、何も心配はありませんが、書類に押捺された印影から同型印を作る場合は、慎重に対処し、場合によってはお断りすることもあります。印章の持ち主様でなく、別人が印影を持ち出して犯罪につながる同型印の可能性があるからです。

 同型印のご注文は、作成に時間を要するので、お値段は、つげ材の姓のみ2文字で、15,000円
です。今回の職印のように文字数が多い場合、54,000円からのお値段になります。同型印は作成することにこだわらずに、銀行さんには改印届、取引関係法人には印章を変更したことを周知していただく方法もあります。               四代目店主 平澤 東(とう) 記
▲この見本印影は行政書士の印影です。業界の書籍『印海』より掲載。実在の方の印鑑ではありません。

 



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