東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



木刀の柄(つか)にお名前を彫刻

2010年12月28日 店舗経営 接客

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

このところ朝晩が特に冷え込んできました。店に来て温度計を見るとたいてい、7度から8度です。中学生の頃にストーブ当番をしていて、皆より早く登校、室温が10度以下だったらストーブ(最後のころの石炭だるまストーブだった)を焚くということになっていたな、などと思い出しました。

珍しい彫刻依頼の注文がありました。木刀の柄(つか)の断面にお名前を彫るという仕事でした。両手で木刀を握って剣先を相手に向けた時に、一番腹に近い部分の箇所です。印鑑として捺すわけではないので、左文字(鏡文字)でなく、右文字(印面を見てまともに読める)で文字を入れて彫りました。

お客さまに伺ったら、対戦の前に木刀を左の腰に構えている時には、対戦相手に自分の名前が分かるからよい、ということでした。木刀の木の質は枇杷(びわ)の木でした。彫ってみて普段の柘植(つげ)よりもやや硬いかな、という感触でした。

昨日、お客様にお渡しできました。「ただ、文字部分を彫ってあるのでなく、文字を残して彫ってくれているのがいい」と言って下さいました。木刀を彫らせてもらう仕事は初めてでした。ARTISAN SPIRIT(職人魂)を揺さぶられて彫らせていただきました。彫り上げた木刀をお渡しした時にはお客様から職人冥利をいただけました。

年末は30日(木)の午後7:00まで営業いたします。


▲木刀を彫っているところです。左手は印面を回す時にやや重さを感じました。


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