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屋号(店の名前)の由来について書いてみたいと思います。
明治29年生まれの私の祖父、二代目、平澤友安(ともやす)が尋常小学校の頃、漢文、作文、習字を教える塾に通い、その塾の先生、奥津雁江(がんこう)先生に命名してもらったと父から聞きました。初代、渥美鋭之助友利(えいのすけ、ともとし)が、おそらく奥津先生にお願いに行ったのではないかと推測しています。二代目の平澤友安は独身時に渥美を名乗り、戸籍上は婿に行く形で祖母の姓、平澤を名乗りました。楽善堂を名乗る前は、古写真などから初代の名前の一部を取って「友利堂」だったようです。
命名の依頼を受けた奥津先生は、中国古典の『孟子』告子篇にある「楽善不倦、此天爵也」善を楽しみて倦(あ)かざるは、これ天爵なり、の文章から『楽善』を選んでくれました。変わることなく善を楽しむ心は、天から授かった徳だ、程の意味です。「善を楽しむ」も聞きなれない言葉ですが、平たくいえば、楽しんで善いことをする、位に私としては解釈しています。
毎朝、店を開けて店の前を箒で掃除していますが、左右、20メートルくらいはタバコの吸い殻などのゴミをチリトリに拾っています。それなりに楽しんでいます。『楽善』の小さな実行はこの程度ですが、店の看板を見てから仕事に掛かります。
▲徳間書店 中国の思想『孟子』より抜粋
▲父の書籍を借りました。久しぶりに見た漢文の原文、
「曰」「而」「也」などの文字が懐かしく感じられました。
なるほど!楽善堂の由来、勉強になりました。有り難うございます。天与の爵位とは良い言葉ですね。励みになります^_^