東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



7店舗で断られた つげの印鑑リフォーム

2025年03月22日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先日、つげ材の印鑑リフォームをやらせていただきました。相模原市からお見えのお客様でした。お話を聞いていたら、当店に見える前に7店舗のはんこ屋さんで「木製の印鑑のリフォーム(彫り直し)は受けていない。」と言われたそうです。いきなり当店にご来店でなく、事前に電話確認でつげ材の彫り直しの可否を聞いてこられた理由がわかりました。7店舗に全て出掛けたのでなく、後半のお問い合わせはお電話での確認だったようです。 

確かにつげ材の場合、印面(文字の彫刻面)から朱肉を吸い上げているので、1ミリ未満ですが印面を平面に削った場合でも、まだ少々の朱肉が残る場合があります。乾燥した印面ではないので、押捺時に新しく付けた朱肉の油をはじいてしまい、きれいな印影が出ない、という欠点があります。今回の仕事のつげ材はあまり多く朱肉を吸い上げていないので、問題なくリフォームできました。

 つげ材の彫り直しは、金額的にも高く取れない、リフォームしてもきれいに押捺できないかもしれない、という点で、リフォームを断るはんこ屋さんが多いのかな、と思います。
  当店では、彫り直しの価格、直径15ミリのフルネーム彫刻で9,900円、新規のご注文で9,950円と、50円しか違いません。印材の材料代よりもほとんどが彫刻料金、ということになります。

 大切なのは、「お客様の印鑑への思い入れ」かと考えます。新規と金額がほとんど変わらくても、深い理由があって、その印鑑をリフォームして使っていきたい、または別の家族で使って欲しい、とう思い入れです。お客様のご希望、思い入れを大切にしてつげの印鑑(木製の印鑑)も受注して行きたいと思っております。
▲左は新規のつげ印材、右は彫り直すために彫刻面を削ったあとの印材です。



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