東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



印鑑の文字(7) 隷書

2008年09月13日 印鑑の文字


──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日から3連休、9月は祝日が2日(敬老の日と秋分の日)があって、土日がフルにお休みの方には、合計で10日のお休みがあり、9月の30日間で3日に1日はお休み、ということになります。私の店、土曜日は第4だけが休日なので、今日は営業しております。
貴重な休日、有効に使いたいものです。

印鑑の文字シリーズの続きで今日は「隷書」です。印鑑に一番多く使われる篆書(てんしょ)については今までいろいろと書いてきました。この篆書を速く書こうとして奴隷が牢獄で考え出した文字が「隷書」です。それで、奴隷の「隷」が付いています。

篆書から派生して出来たので、篆書と相似する点は、
1. 線質は横画は水平、縦画は垂直を基本。楷書のように横画は右肩上がりにならない。
2. 筆で書くと、起筆は露鋒(ろほう)でなく、蔵鋒(ぞうほう、筆の穂先を中に入れる)で書く。
3. 横画は太く、縦画は細い。(楷書や行書はこの逆です)

違う点は、篆書は縦長の方が格好いいですが、隷書は扁平(横に広い)の文字の表情、と言う点です。波磔(はたく)といって、文字により1本の横画のみ波のような長い線質を入れる。
(下の「田島」の「島」字にあり)
さらに何といっても、判読しやすい書体、という点があります。

街で見かける隷書は中華料理屋さんの看板とか、メニューの文字など、中国的なもの、古典的なものに多く使われています。

▲「島」の上から4本目の線が波磔(はたく)です



楽善堂のホームページ
https://rakuzendo.com




コメント

  1. 八木裕史 says:

    勉強になりました
    昨日注文にうかがいました八木です。
    ホームページを見たらブログもあるのを知って拝見させてもらいました。
    文字面白いですね!
    人名だと「今」という字の中が「ラ」か「テ」かとか当人以外は普通知らない細かい字の違いがあって、そういうのがあるとハンコつくりは難しそうです。
    商品の紹介でカリグラフィースタンプや花押印が面白かったです。こういうのもいつか作ってみたいです。

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