東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



白檀の原木に4文字を彫刻

2022年09月03日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先月、東京都区内のお客様から白檀の原木2本(写真)をお預かりして、ご指示の4文字を彫らせていただきました。1本は長い辺で27ミリ、もう1本は長い辺で25ミリでした。正方形でなく、少し長方形になった四角形です。輪郭は直線でなく、ややカーブがあり、内側にへこんだ箇所もあります。まさに作られ加工された印材(いんざい、印鑑の材料)でなく、天然物の白檀材でした。とてもよい香りがしました。

 彫ってみての手に来る感触は、カリカリでなく、ポソポソ、でした。まだ完全に乾燥していないので、木材に水分が少し残っているせいだと思いました。問屋が持って来る白檀の印材は、彫りやすいように加工されているので、水分が抜けていて、カリカリ感があります。しかし、白檀特有のよい香りがほとんど抜けています。香りの点では、断然、原木の方が上を行きます。

 40年程前の見習い修行時代、つげの木の円形原木を稽古彫りで彫ったことを想い出しました。「とても硬かった」印象がまだ残っています。この原木のあとに、印材になったつげの駒丈(こまだけ、おおきなサイコロのような形の印材)を彫ったら、ずいぶん柔らかく感じました。 今回、原木の白檀の木を彫らせていただき、よい体験ができました。お客様に感謝です。

お客様からお預かりの白檀原木です。左の2本に彫りました。
右の1本は、お客様が気を遣って「まず彫れるかどうか確かめてみて下さい。」と
事前に送ってきてくれました。


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