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先週、東京都の中野区からご来店のお客様で、赤メノウの印鑑をリフォームの方でした。拝見したら篆書で、外枠は太く、文字が細い、細字篆書の作風でした。この作風は戦前から昭和の30年代くらいまでに多く作られていたもので、現在ではお客様のご指示がない限り、提案していない作風です。昭和の時代の印影サンプル帳にはありますが、平成以後の印鑑カタログには、記載がありません。
このお客様がお持ちになったのは、お父様の印鑑でその中にある1文字の篆書がとてもお気に入りで、「この文字を使って下さい。」というご希望でした。つまり、お父様のお名前の1文字が、ご来店のお客様のお名前にも同じ文字である、ということです。わりと、このようなお名前の流れはあるようです。
昨日、下記のようなメールをいただきました。当店では、印鑑リフォームのお客様には、印鑑ケースを無料でお付けしています。はじめから印鑑ケースごとお持ち込みの場合は、無料できれいにお掃除、小さな朱肉を新品に交換しております。
本日印鑑を受け取りました。
さっそく何度も押してみました。
吸いつくように、また印影もくっきりと、美しい印鑑だと思いました。
世界にひとつ、自分だけの印鑑だと思うと愛着もひとしおです。
印袋に加え立派なケースまで、ありがとうございました。大変恐縮です。
これに納めて、これから長い付き合いになるかと思いますが、
大切に使っていきたいと思います。
お客様に喜んでいただき、何よりでした。メールの返信には「職人冥利です。ありがとうございました。」と書かせていただきました。
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