東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



落款印を解読

2020年04月05日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先月、郷土史の研究家の方から「落款を読んでいただけないでしょうか?」というメールをいただきました。印影が添付されていました。「落款」とは、落款印のことで、日本画や書道の作品の左下に完成時に捺す、主に正方形のはんこです。明治期の古文書にあった印影のようでした。この研究家の方は、篆書(てんしょ)の辞典を2冊持っていて、すでに30作品の石材の印影、8割ほどを解読なさった目利きの方です。

今回は私にも解読できました。よくあることで、印文の中で同じ文字がある場合、それぞれを変えた篆書の文字を使います。「我」の文字が右下の文字と左上で変えてありました。普段は接客も含めアナログの仕事が多く、パソコンは1日に2回くらいしか立ち上げませんが、たまたまメールのチェック時ですぐに返信ができたので、下記の返信メールをいただきました。印影のブログへの掲載、この方から許可をいただけました。

文字工房 楽善堂
 平澤様

早々のご回答、ご連絡を頂き、感激です。
さすがプロと感じました。
ここ数年でこのような体験は、初めてです。

今後、印章につきましては、頭の中に入れておきます。
時々、古文書アプリのKuLAに質問しています。
ここで御社のことを何気無く、触れて宜しいでしょうか?

上記の 「古文書アプリのKuLA 」は初めて聞く言葉でしたが、ご提案にはOKさせていただきました。

この中で真ん中の列、上の文字、「安」の字が篆書に慣れない方には読みにくいかもしれません。ウ冠に下は「女」です。左側に愛用の「篆刻字林」からのコピーを貼りました。「我」の篆書だけで、8種類あります。



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