東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



鏑木清方の落款印

2009年11月24日 印鑑の文字

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

昨日の勤労感謝の日、ファミリーでサントリー美術館に行きました。天気が心配でしたが、小春日和の晴天に恵まれました。車で出かけました。中央高速、首都高とも、行きも帰りも渋滞はありませんでした。

「清方ノスタルジア 名品でたどる鏑木清方の美の世界」というタイトルで、鏑木清方(かぶらき きよかた)の絵画が多数展示されています。江戸情緒を残す美人画が多く、歌舞伎題材の絵、風景画などもありました。500円でヘッドフォンとリモコンを借りて作品の音声ガイドを聞きました。作品の番号を押せば丁寧に説明してくれます。

仕事柄、作品の右下あたりにある、落款印文字に興味が行きました。少なく見ても3種の落款印を使っていました。ひらがな表記の角判があり(落款印は角判が多いが丸判もある)、「あちさゐ」(あじさい)までは読めて、残りの2文字が判読できませんでした。美術館の出口で、切符販売の所にいる方に落款のことについて尋ねたら、作品帳を調べながら親切に教えてくれました。「あちさゐのや」と読むとのこと。アジサイの家ほどの意味です。この落款は、主に美人画に多く見受けられました。

「清くあれ 潔くあれ うるはしくあれ」とは、鏑木清方の言葉です。そんな思いを感じさせてくれた、作品鑑賞でした。


▲鏑木清方の日本画「春雪」。帰宅した夫の羽織を妻がたたんでいる。右端の落款印は教えてもらい「あちさゐのや」とわかった。
これは、サントリー美術館の入り口でいただいたカラーチラシです。厚手の上質紙です。


サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/


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