東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



長さ64ミリの象牙印材を61ミリに

2024年08月23日 お知らせ 店舗経営 接客

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 気温は相変わらず35度超えますが、秋風らしき涼風が吹き始めました。

 当店の近くで会計事務所を経営する先生から、象牙の印鑑リフォームのご注文をいただきました。

 「普段使っているので印影をあまり変えないように彫り直して欲しい。」というご注文、はんこを見れば外枠が半分以上印字できない位にすり減っていました。よほど毎日頻繁に押捺されていることが分かりました。象牙のはんこで、この位すり減っているから、仮に木製のはんこだったらもっと早く痛んでいたに違いありません。はんこの長さを計測したら64ミリありました。象牙印材のリフォームの場合、印鑑ケースをサービスでお付けしています。印鑑ケースを一緒に郵送されてくる場合も多くありますが、本体のはんこがリフォームしたくなるほど痛んでいると、印鑑ケースもかなり年季が来て痛んでいることが多いものです。

 ご来店いただいてのご注文だったので、その場で「このままの長さ64ミリにこだわっていますか?それとも印鑑ケースに収納できるように3ミリ位短くしてもよいですか?」とお尋ねしたところ、「短くして下さいますか。」とお返事をいただいたので、61ミリの通常のはんこの長さにリフォームしました。彫刻面を一度平面にして彫り直す場合、たいていは0.5ミリから1ミリ程度短くなるだけです。3ミリの長さ分短くする、はあまりない仕事となりました。通常はリフォームの前と後で、短くなったことがほとんど分からないような仕事を心がけています。64ミリの長さ印材は、日本産でなく外国のお土産品だったのかもしれません。


▲印材(印鑑の材料)はほとんどは61ミリですが、上記の印材は75ミリ、91ミリの長さです。指で摘まむのでなく、ジャンケンのグ―のように握ることもできます。91ミリの長さになると、正確な円筒形でなく、野球のバット型のように彫刻面の直径部分を小さくする作り方もあります。


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