東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



お寺さんの古印影を解読

2020年03月07日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先月、福島県の寺院さんから古文書にある印影の解読を依頼されました。かなり前にブロブに古い印影を解読した記事を書いたことがあり、検索で当店を捜してくれたようです。この寺院さんには以下のことをお伝え致しました。
「古文書の解読を本業にしてはいないので、代金は不要です。すべての文字を解読できるかどうか、分かりません。」

4種の印影がメールの添付で送られて来ました。印鑑に主に使う書体は篆書(てんしょ)ですが、古文書に多く使われているのは篆書の中でも九畳篆(くじょうてん)と言って、かなり画数が多い文字です。上、下、といった楷書では画数が3画くらいの文字も、10画以上になります。文字の線を直角に曲げて伸ばして、また直角に曲げる、作風です。わかる範囲の文字を解読して返答させていただきました。
2、3日後に美味の日本酒と共に下記のメールが届きました。日本酒好きな小生としては大変ありがたいお客様からのいただき物になりました。日本酒は初めて頂くもので、貴醸酒(きじょうしゅ)というもので、水の代わりに日本酒を使い、米と共に仕込む、とても贅沢なお酒でした。

ご返答ありがとうございます。
1200年前後の歴史のある寺ですが、数少ない古文書の中からの情報を頼りに当印の歴史を紐解いている中でこちらの印影について知りたい所存でした。
自分達では判読できないものでしたので、感謝しております。
大変お世話になりました。

印鑑を作ってお客様に喜んでいただいてお代金をいただく、ありがたいことです。今回のように、ボランティアで行なったことへお礼をいただけた、これもまた大変うれしいことでした。

きちんと掛け紙があり、「寸志」と書いてあるのも
お寺さんらしいと感心しました。


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