東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



印鑑(花押印 1)

2009年05月30日 印鑑の文字

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先週いただいた注文で花押印(かおういん)がありました。仕上げて昨日発送しました。
花押(かおう)、聞き慣れない言葉と思います。平安時代の中ごろから使われ始めた、書き判(かきはん)のことです。手書きの風雅なサインといってもよいでしょう。公文書、私文書を作成した時に、確かに本人が作った文書であることを証明しました。この点では現在の印鑑と同じ用途でもあります。

筆で書いたものが「花押」、その文字を印鑑にしたのが「花押印」です。公家や戦国大名など盛んに花押を書きましたが、署名の部分を本人が書き、花押は代書させる習慣が多かったようです。時代は下り、江戸時代の中ごろになって書くのでなく印判(いんばん、印鑑のこと)にして押すようになりました。

今回のお客様のご注文は、二合体(にごうたい)という作風でした。主に下のお名前の部分、部分を組み合わせて文字を作ります。例えば、源 頼朝だと「頼」の扁(左側)の束と「朝」の旁(つくり、右側の字)の月を組み合わせて一つの字に作ります。下のお名前が一字だとこの作風は作れません。

次回から花押の作風について書いていきたいと思います。


▲源頼朝の花押。二合体(にごうたい)の作風で書いてある。


花押印のページhttps://rakuzendo.com/shohin/shohin012.html

八王子 印鑑 楽善堂のホームページ https://rakuzendo.com





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