東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



石碑の解読に協力

2020年08月08日 お知らせ

印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 『八王子の戦跡』という書籍が八王子の出版社から発刊されました。つい一昨日、中心的に監修の仕事をなさった小学校の先生が持って来てくれました。この先生は、私と3人の子どもたちの母校で教鞭を取られたこともあり、息子の担任の先生でした。

 6月のある日、もう一人の郷土史家の先生と一緒にご来店なさり、「この石碑の文字を解読してくれませんか?」と言われました。その場では私もわからずに、辞書を知らべたり、篆刻(てんこく)を習っていた時の日展作家のはんこ屋さんに聞いたりして解明できました。石碑が作成された時期は昭和15年(西暦1940年)なので、20世紀の物でしたが、篆書よりも古い時代の文字(金文・甲骨文)に近い文字でした。この石碑の元となる文字を書いた書家、または学者の博識に驚かされました。一番判読しにくかったのは「便」の文字で、左側の偏がケモノヘンか、ニンベンか?迷いました。皇紀2600年を祝う石碑で「皇威便現」の文字が右から横書きに刻んであることが分かりました。

 普段使い慣れている印鑑の文字、篆書(てんしょ)は、判読は楽ですが、ひとたび、篆書よりもさらに古い時代の文字となると、同じ漢字でも難しくなることを改めて実感しました。書籍の出版にあたり少しばかりですが、協力させていただきました。名前を出してもらうのも気が引けますが巻末に、当店の店名「楽善堂」を載せていただけました。

判読を依頼された石碑、右から左に読んで「皇威便現」です。
紀元2600年記念のころに使われた四文字熟語と思われます。
この本の前書きには「私たち一人一人が戦争について学び、考えることで、
これからも平和を守り続けていけるものと信じています。」と書かれています。
上記の書籍の巻末です。協力者一覧の中、「楽善堂」が記載されました。

 



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