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『八王子の戦跡』という書籍が八王子の出版社から発刊されました。つい一昨日、中心的に監修の仕事をなさった小学校の先生が持って来てくれました。この先生は、私と3人の子どもたちの母校で教鞭を取られたこともあり、息子の担任の先生でした。
6月のある日、もう一人の郷土史家の先生と一緒にご来店なさり、「この石碑の文字を解読してくれませんか?」と言われました。その場では私もわからずに、辞書を知らべたり、篆刻(てんこく)を習っていた時の日展作家のはんこ屋さんに聞いたりして解明できました。石碑が作成された時期は昭和15年(西暦1940年)なので、20世紀の物でしたが、篆書よりも古い時代の文字(金文・甲骨文)に近い文字でした。この石碑の元となる文字を書いた書家、または学者の博識に驚かされました。一番判読しにくかったのは「便」の文字で、左側の偏がケモノヘンか、ニンベンか?迷いました。皇紀2600年を祝う石碑で「皇威便現」の文字が右から横書きに刻んであることが分かりました。
普段使い慣れている印鑑の文字、篆書(てんしょ)は、判読は楽ですが、ひとたび、篆書よりもさらに古い時代の文字となると、同じ漢字でも難しくなることを改めて実感しました。書籍の出版にあたり少しばかりですが、協力させていただきました。名前を出してもらうのも気が引けますが巻末に、当店の店名「楽善堂」を載せていただけました。
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