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先日、東京23区内の法人のお客様から象牙印鑑の彫り直しのご注文をいただきました。 直径は19.5ミリです。なぜ、20ミリでなく19.5ミリかと言うと、印鑑の規格はセンチメートルでなく、寸、分(ぶ)で作られているからです。18ミリ直径が六分(ろくぶ)丸、19.5ミリは六分五厘(ろくぶごりん)丸、になります。
長さについては二寸丈(にすんたけ)が主流です。ほとんど6センチなのですが、厳密に計ると、 60.6ミリになります。印材によっては61ミリに近いものもあります。
お預かりした印鑑には個人の実印のようで、フルネーム4文字が彫ってありました。ご注文は、この印鑑を彫り直して2文字の姓のみ彫って下さい、でした。直径19.5ミリに、2文字だけでは本当に大きく見える、が実感です。これだけの直径サイズがあれば、2重丸にして時計回りに会社の名前を10文字以上入れられる大きさです。
一度、印稿(仕上がりのラフデザイン)を起こしてメールでお送りしました。「もっと分かりずらい文字にして欲しい」というお返事でした。当初、「花文字の書体」というお話が出ていました。メールでの打ち合わせで吉相体(きっそうたい)に決まりました。画数が少ないお名前なので、分かりずらい作風が作りにくい作品ではあります。工夫して2作目は文字の線を花びらのように極力丸く書いて、印稿を送りました。印稿は1作目は無料、2作目以降は別途、2200円(姓のみの場合)掛かります。お気に入っていただき、彫刻OKのお返事がいただけました。
印鑑リフォームは、お客様の印材をお預かりして彫刻をするので、彫る前に印稿(仕上がりのラフデザイン)を見ていただくことが本当に大切と、今回改めて思いました。
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