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今日、7月4日(土)の東京新聞、朝刊に下記のような記事が掲載されました。コロナ禍の中、在宅勤務でも押印のために出社せざるを得ない、というものです。日本政府の規制改革推進会議は、テレワークを後押しするために、銀行の口座開設時にも押印を不要とする方針を示しました。
昭和のある時期までは銀行口座にある預金を引き出すのに、銀行印を押捺する必要がありました。その後はキャッシュカードと暗証番号だけでATMから現金が引き出せるのですから、預金引き出し時に銀行印の出番がなくなりました。口座開設時にのみ、現在では必要になっています。
フルネームを彫ることの多い実印は今でも必要であり、「本人を確かに証明するもの」としてしっかりと役目を果たしています。自動車の購入、不動産の売買、遺産の相続時など、人生の重要な場面では印鑑証明書の添付と実印の押捺を求められます。このように趣味の分野でなく契約などの実務ではんこを使っているのは、世界の中で今では日本だけです。外国では契約時に「はんこ」を捺さないのだから、『日本の文化、日本の特徴、日本らしさ』を今後も残していくことは、 はんこ職人の私としては とても大切と考えています。
以前象牙印章を楽善さんで彫刻していただいた者ですが現在印章はほとんどの業者さんが印相、開運をうたうのが印章不要論に拍車をかけていると私は思います。美しい印影、確かな印材を求め個人の責任を果たす道具が招き猫並みの開運グッズに成り下がってる現在愛想を尽かされるのは当然です。モチーフ印鑑や萌え印が登録可能であれば拇印でいいではないですか?私もこんな滅茶苦茶な業界であれば今の世には不要であると思います。