東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ



印鑑の文字(10) 草書

2008年09月26日 印鑑の文字


──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

明日は、第四土曜日、月に1度の土曜日休みで、2連休をさせていただきます。

今日は印鑑の文字で「草書」です。楷書、行書は普段に見慣れていますが、草書となると
書道の作品や掛け軸の絵にある文字、などでしか見かけないですね。読み慣れていないと判読がしにくい書体でもあります。

草書は隷書(以前のブログ、印鑑の文字(7) 隷書を参照)から派生して出来上がりました。
隷書を速く書こうとして生まれたのが、章草(しょうそう)という書体、そこから派生して草書が生まれました。行書がさらに簡略化されてできたものではありません。

今回の作品例、「田島」さん。「田」は読めますが、「島」は読みにくいと思います。
印鑑の文字は、実印や、銀行印の場合、所有者が読めて、他人は読めない(判読できない)くらいが都合がいいです。少しオーバーな言い方ですが、銀行印ならカードの暗証番号のようなものです。

そんな点でこの草書もオススメでございます。実際の仕事では、お客様との相談でどの程度の文字の崩し加減がいいかは、話し合いで決めていきます。行書に近い草書ならば判読しやすくて、そうでなければ、書に馴染みのない方には判読不能にも作れるからです。


楽善堂のホームページ
https://rakuzendo.com


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